Civitaiからワークフローを落とした。
開いた。赤いノードだらけ。Custom Nodeが足りない。モデル名が違う。パスも違う。エラーを検索しているうちに、別の解説動画と有料テンプレートへ流れ着く。
ここで、全部を自分で解読する必要はない。
ComfyUI Portableの複製をCodexの作業場にして、ワークフローとエラーを渡す。要望を伝え、実行と自己検品まで任せる。
俺の環境では、この方法でPrompt Relayを含む複雑なワークフローを解析し、動くところまで持っていけた。
結論: Portable版の中へCodexを常駐させる
ComfyUI公式のPortable版は、展開したフォルダ内にComfyUI本体、独立したPython環境、更新用スクリプト、起動用BATを持つ。
つまり、環境一式を複製しやすい。
ComfyUI公式は、ワークフローを人間が読めるJSON形式の小さなファイルとして保存でき、バージョン管理や共有に向くと説明している。Codexから見れば、JSON、Python、設定、ログが同じ作業場に存在する。解析対象として相性がいい。
ただし、フォルダの置き方には一つ罠がある。
操縦席を「小さな子フォルダ」にしてはいけない
最初に考えやすいのは、こういう構造だ。
ComfyUI_windows_portable/
codex-repository/
AGENTS.md
.git/
しかし、codex-repositoryだけをCodexのワークスペースとして開くと、修理対象のComfyUI本体は親フォルダにある。Codex公式のworkspace-writeは、現在のワークスペース内を編集し、境界を超える操作では承認を求める設計だ。
初心者向けには、逆にした方がわかりやすい。
ComfyUI-Codex-Lab/ ← ここをCodexで開く
AGENTS.md ← 運用ルール
.gitignore ← 巨大ファイルをGitから除外
.git/ ← Gitの履歴。通常は非表示
ComfyUI/ ← ComfyUI本体
python_embeded/ ← PortableのPython
update/
run_nvidia_gpu.bat
workflows/ ← 修理するJSONを置く
実際には、複製したPortableフォルダのルートでgit initし、そのルートをCodexで開くだけでいい。
そもそもリポジトリとは何か
難しく考えなくていい。
リポジトリは、Codexに渡す「作業場の範囲」と、変更履歴を置く場所だ。
Git公式のgit initは、指定したフォルダへ空のGitリポジトリ、つまり.gitディレクトリを作る。以後、変更前と変更後を記録し、何を触ったか確認できる。
ただし、役割を混ぜない方がいい。
Codexへ、触っていい場所と作業手順を伝える命令書。
変更履歴、差分、復旧地点を残すセーブ機能。
ワークスペース外への書き込みやネット接続を制限する見えない壁。
AGENTS.mdやGitだけで、セキュリティ境界が強制されるわけではない。
AGENTS.mdは公式に用意されたプロジェクト指示の仕組みだが、命令書である。Gitは履歴を残すが、危険な処理を止めるものではない。実際の境界はCodexのSandboxと承認設定が担当する。
最低限必要なのは3つ
1. AGENTS.md
正式なファイル名はAGENTS.md。AGENT.mdではない。
Codex公式は、リポジトリのルートへAGENTS.mdを置き、セットアップや検証コマンド、プロジェクト固有ルールを伝える方法を案内している。
ここへ最低限、次を書く。
- 操作範囲は、このPortable複製フォルダの中だけ
- 外部フォルダを読まない、書かない
- Custom Node、モデル、スクリプトを勝手にダウンロードしない
- 削除や大規模更新の前に確認する
- 修正前にGitへ基準点を残す
- 修正後はComfyUIを起動し、エラーと出力を検品する
2. Git
最初の正常状態をコミットする。
ワークフロー修理で壊れても、どこを変更したか追える。Gitは「成功させる魔法」ではなく、「失敗しても戻れるセーブポイント」だ。
3. .gitignore
Portable環境には、モデル、出力画像、入力素材、キャッシュ、独立Python環境など、巨大または私的なファイルが入る。
それらを無差別にGitへ登録しないために.gitignoreが必要になる。何を除外するかは環境ごとに違うため、Codexへ現状を調べさせ、除外案を提示させてから確定する。
最初にCodexへ投げるプロンプト
いきなり修理させない。まず、作業場そのものを作らせる。
Codex、この複製したComfyUI Portableを、ワークフロー改良専用の
リポジトリとして運用したい。
まず変更せず、現在のフォルダ構造、Gitの状態、ComfyUIの起動方法、
Python環境、既存Custom Node、モデル配置を調査してください。
その後、次を満たす初期化プランを提示してください。
- 操作範囲をこのフォルダ内だけに限定する
- AGENTS.mdへ境界、禁止事項、検証手順を書く
- Git未初期化ならgit initする
- モデル、出力、入力、キャッシュ、認証情報、巨大ファイルを
誤って登録しない.gitignore案を作る
- 変更前の状態をベースラインとして保存する
- 外部ダウンロード、Custom Nodeの追加、削除、更新は、
実行前に必ず確認を取る
- 修正後はComfyUIを起動し、ログとワークフロー実行結果を自己検品する
まだ変更は実行せず、リスク、作成予定ファイル、検証方法を含む
プランだけを提示してください。
この時点ではプランだけを出させる。内容を読んで、触る範囲が正しいと確認してから実行へ進む。
ワークフロー修理時に渡すもの
最低限、次の4つを同じ作業場へ置く。
- 動かないWorkflow JSON
- ComfyUIのエラーログ全文
- 本来やりたいこと
- 変更していいもの、いけないもの
そのうえで、こう依頼する。
このワークフローを、現在のPortable環境で動くように修理してください。
最初にJSON、エラーログ、Custom Node、モデル名、パス、バージョン差を調査し、
原因候補と修正プランを示してください。
承認後、必要最小限の変更を行い、ComfyUIを起動して自己検品してください。
可能ならワークフローを実行し、エラーが消えたか、出力まで到達したかを確認してください。
勝手にCustom Nodeやモデルをダウンロードしないでください。
不足物がある場合は、公式配布元、必要な理由、保存先、想定容量を示し、
承認を待ってください。
最後に、変更ファイル、原因、検証結果、まだ人間が確認すべき点を報告してください。
Codexが直せるもの、直せないもの
CodexはWorkflow JSONを読み、ノードと接続を追い、ローカルのCustom Node実装、モデル名、パス、ログと照合できる。必要なコード修正やJSON変更を行い、ローカルコマンドを使える環境なら起動検証もできる。
一方で、存在しないモデルを作ることはできない。非公開モデルや削除済みCustom Nodeも復活させられない。GPU不足も文章だけでは解決しない。出力が「好み通りか」は最後に人間が見る必要がある。
俺の環境でPrompt Relay級のワークフローが動いたことは、実機での成功例だ。ただし、すべてのワークフローが無条件で直るという保証ではない。
Custom Nodeだけは、自動で全部入れさせない
ワークフローが要求するCustom Nodeを片っ端から入れれば、動く可能性は上がる。
同時に、外部コードを自分のPython環境で実行する範囲も増える。ComfyUI Registryにも、悪意あるコード実行を禁じるセキュリティ基準が存在する。基準があることと、入手した全コードが安全であることは別だ。
だから初回は、次を守る。
- 元のPortableを直接使わず、複製で試す
- 認証情報や私的素材を置かない
- 配布元と必要性を確認する
- 自動ダウンロードは承認制にする
- 変更前にGitの基準点を作る
- 出力だけでなく、ログと変更差分を見る
更新停止や環境差のたびに、また動けなくなる。
壊れた原因と直し方が、自分のリポジトリへ蓄積する。
必要経費
この方法の追加費用は、基本的にはCodexを利用できる契約または利用枠だ。料金や利用条件は変わるため、開始時点の公式案内を確認する。
もちろん、ローカル生成にはPC、GPU、ストレージ、電気代、必要モデルの取得環境が別途必要になる。ここで言う「追加費用」は、すでにComfyUIを動かしている人が、この修復運用を導入する場合の話だ。
結論: 神テンプレートではなく、専属鍛冶職人を持つ
この方法で手に入るのは、絶対に壊れないワークフローではない。
壊れるたびに、有料テンプレートの更新を待たず、自分で修復できる運用だ。
公式のPortable環境、JSONとして残るワークフロー、Gitの履歴、AGENTS.mdのルール、Codexの解析力。これらを一つの工房にまとめる。
他人の「神ワークフロー」を買い続けるのではなく、自分の環境を知っている専属鍛冶職人を常駐させる。
それが、俺が実際に使っている攻略法だ。